外科的侵襲に対する生体反応の最新情報
免疫系の生体反応
有賀 淳
1
,
山本 雅一
1東京女子医科大学附属消化器病センター 外科
キーワード:
Cytokines
,
Interleukin-6
,
Interleukin-10
,
免疫
,
免疫系
,
免疫療法
,
外科的侵襲
,
生体反応
Keyword:
Immune System
,
Immunity
,
Immunotherapy
,
Interleukin-6
,
Cytokines
,
Interleukin-10
pp.773-777
発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007262335
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外科的侵襲に対する免疫応答はおもに炎症性サイトカインの作用によって引き起される。組織損傷やストレス負荷により単球、マクロファージ、リンパ球、好中球、線維芽細胞などが刺激されてさまざまなサイトカインが産生され、全身性炎症反応症候群(SIRS)と呼ばれる症状が出現する。免疫能では、NK活性の低下やリンパ球数の減少などが認められ、術後の感染症や悪性腫瘍の再発・転移のリスクファクターとなりうる。手術後の免疫低下を防止する目的で、術前からのimmunonutritionや各種免疫賦活薬の投与が試みられており、臨床試験による実証がすすめられている。われわれは手術直後から免疫細胞療法を実施し、術後の免疫力増強を試みており、悪性腫瘍の術後再発や転移を抑制する効果が期待される。
©Nankodo Co., Ltd., 2007