連載 ベッドサイドで活かせる―みんなの呼吸アセスメント⑥
高齢者の“寝かせきり”が危険なわけ
大利 英昭
1
1都立駒込病院看護部
pp.280-285
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100053
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臨床のどうして? その6
酸素流量を上げても呼吸状態が改善しない? の謎
午前中に肺炎の患者さん(77歳,男性)が車いすで入院してきました.37度台後半の発熱,痰を伴う咳,食欲不振と全身倦怠感がみられました.また,脱水症状があったので抗生物質と同時に点滴が開始されました.さらに,ルームエアーでの酸素飽和度(SaO2)が92%とやや低めだったので,酸素がカニューレ2L/分で開始され,SaO2は97%となりました.患者さんは食欲がないからと昼・夕食とも手をつけずにずっと横になっていましたが,痰は何とか自身で出していたようでした.
その後,熱は37.3度で落ち着いていたのに,19時頃からSaO2が上がらなくなり,深夜1時過ぎにはマスクで酸素を5L/分まで上げても90%を切るようになりました.最終的には8L/分まで上げましたが,SaO2は91~92%のまま朝を迎えました.昼間は落ち着いていた患者さんの呼吸状態が急に悪化したのはなぜですか?
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