連載 対応に迷うケースに出会ったら―それでもケアをしなければならない看護師のために⑫<最終回>
考え,話し合う訓練が行動する力につながる
中尾 久子
1
1九州大学医学部保健学科
pp.273-278
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100052
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事例を検討する意義と目的
昨年は,研修や講演の依頼を受けるたび,看護職の倫理に対する関心の高さを強く感じました.「倫理面を考えたよい看護をしたい」という思いを具現化するには,理念,理論とともに,方法論とスキルが必要になります.そこで,事例検討を行なっていく方法を伝える必要を感じました.
これまで本連載で扱ってきた事例では,同じ場面に遭遇しても,立場によって大切にしていることが異なるため,対応には「正解」がないことを述べてきました.また,本連載で紹介した事例と似たような事例であっても,関係する人や状況が変われば,対応は自ずと変わってきます.それでは,このような事例検討は意味がないのでしょうか.これまでと同じように,何か気がかりを感じたまま看護を続けていくのでしょうか.
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