特別記事 現代の保健医療実践におけるモチベーショナル・インタビューの可能性
2.モチベーショナル・インタビューをスピリットと原則に基づいて実践するために
黒江 ゆり子
1
,
藤澤 まこと
1
,
普照 早苗
1
,
佐賀 純子
1
Kuroe Yuriko
1
,
Fujisawa Makoto
1
,
Fusho Sanae
1
,
Saga Junko
1
1岐阜県立看護大学地域基礎看護学
pp.155-161
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100025
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はじめに
現代に生きる私たちにとって病気とともに生活することは,他の誰かの事柄なのではなく,自分自身の事柄であると言えるであろう.1900年代後半における医療技術のめざましい進歩によって,生命維持装置などの医療機器が発達し,多種類の医薬品が続々と開発され,これらの医療機器と多様な医薬品を用いることで高度医療の発展という時代を迎えた.急性疾患に伴う生命の危機的状況の多くは克服されるようになり,医療技術の進歩から私たちは多くの恩恵に与った.しかしながら,生命の危機的状況を克服した人々がすべて元のその人の状態に回復あるいは治癒するかといえば,必ずしもそうではなく,慢性的状況に移行することが多いのも現実である.そのため,慢性の病いとともに私たちが毎日の生活をどのように送るかを考えることは,現代に生きる1人ひとりにとって,避けることのできない事柄である.
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