続・追悼 故 堀尾武一先生
堀尾武一先生の魂(スピリット)
中村 敏一
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1大阪大学大学院医学系研究科分子組織再生分野
pp.1712
発行日 2003年12月15日
Published Date 2003/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101076
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私は今も堀尾先生が亡くなったという気がしません.私の研究者としての魂ともいうべき心の奥深い芯の部分に生き続けているからでしょうか…….
私は昭和42(1967)年6月に大阪大学大学院理学研究科修士課程1年生の学生として堀尾研究室に入門させていただきました.堀尾研への入室のキッカケは大学の1年先輩であった角野冨三郎さん(元大阪大学助教授,現エムエス機器株式会社開発部長)を訪ねて中ノ島の旧阪大構内鳥井記念館にあった堀尾研に見学に行ったことです.その折に,松尾雄志さん(オリエンタル酵母(株)常務取締役)や西川克三さん(金沢医大名誉教授)から堀尾先生の人柄や研究室の明るいカラー,研究テーマの魅力などをお聞きし,その場で入室を決めたと記憶しています.その時,堀尾先生は毎年恒例であったカリフォルニア大学サン・ジェゴ校(UCSD)のKamen教授の研究室に出張中で不在でした.入室約2か月後,帰国した堀尾先生と初めてお会いしました.その時に目にした堀尾先生の真赤なブレザー姿が今も鮮やかに蘇えります.晴ればれした笑顔で“やあ,君が中村君か!”と声をかけられたことが懐かしく思い出されます.
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