特別寄稿
オランダ人助産学生の日本研修滞在記
バート・グラーフ
,
マイケ・ロイリンク
pp.989-995
発行日 1998年11月25日
Published Date 1998/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903461
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オランダの助産課程
オランダの助産婦教育課程は日本とは若干異なる。現在オランダにはアムステルダム,ロッテルダム,およびケルクラーデの3か所に助産婦学校がある。各学校が毎年入学願書を受け付けるのは1,200名までで,このなかから無作為に(つまり抽選で)120名が選ばれる。この120名に対して選考面接が行なわれ,その結果入学を許可されるのは1校につき40名にすぎない。したがってオランダでは,全員で120名の学生が毎年助産婦になるための訓練を開始していることになる。教育年限は4年で,どの学年でも講義と実習が交互に行なわれるが,4年間で学生が学習する内容はきわめて多岐にわたる。実習は実際の経験を積む期間であり,ほとんどが開業助産院か各種病院の産科病棟で行なわれる。実習の場では学生は積極的に実務に参加し,厳しい作業のなかで技能の習得に努める。学生はまた,各種病院の超音波治療やソーシャルワーカーによるコンサルテーションを実地見学し,地域病院や大学病院の新生児病棟の日常業務にも参加する。
最終学年になると,学生は自分で施設を選んで研修を受けることが許される。これには外国の施設を選択することも可能で,私たちふたりもそうであるが,仲間の学生も大半が外国へ出かけてそれそれの国の助産業務システムを学ぶことを選ぶ。
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