特集 難病妊産婦のケア
各疾患の看護の事例
脊髄小脳変性症を合併する妊産婦の看護
大室 敏恵
1
,
高崎 由佳理
1
,
福井 トシ子
1
1杏林大学医学部附属病院産婦人科病棟
pp.565-569
発行日 1994年7月25日
Published Date 1994/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903336
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はじめに
脊髄小脳変性症は潜行性に発病し,その経過は進行性である。運動失調を中心に錐体外路症状,錐体路症状,自律神経症状がみられる疾患で,根治療法は見つかっていない1)。
このような疾患を合併する母子へのケアは,施設内で行なわれたケアが家庭で継続できるようなかたちで行なわれることが特に大切である。ハンディキャップを持っている場合は,施設と家庭間に差があると,家庭での育児行動を最初に戻って考え直さなければならないこととなり,施設内でのケアが役立たなくなってしまうからである。したがって,ハンディキャップを持つ母子へのケアは,家庭での状況をいかに想定してケアを行なったかにかかっているといえる。
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