特集 難病妊産婦のケア
各疾患の看護の事例
三好型遠位型筋ジストロフィー症を合併する妊産婦の看護
野崎 美弥子
1
,
福井 トシ子
1
1杏林大学医学部附属病院産婦人科病棟
pp.560-564
発行日 1994年7月25日
Published Date 1994/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903335
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
進行性筋ジストロフィーの患者が妊娠・分娩に至ることは少ないといえるが,私たちは三好型遠位型筋ジストロフィー症*の妊産婦を看護した。その看護を通して多くのことを学んだ。私たちの行なった看護を今回報告させていただくが,皆さまの参考になれば幸いである。
進行性筋ジストロフィーも他の疾患や障害と同じようにハンディキャップと捉えることができるが,ハンディキャップを持つ女性が妊娠,分娩,育児を選択した場合は,妊婦の生活そのものに対する援助の方向性や,妊婦をとりまく家族への援助をどのようにしていくかが中心的課題になる。つまり,ハンディキャップを持つ女性が妊娠を継続していく場合,ハンディキャップが妊娠,分娩に及ぼす影響よりも,妊娠,分娩,育児がハンディキャップを持つ妊婦の日常生活にどの程度影響するかということのほうが問題になるということである。
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.