ニュース・プラス・ワン
戦争が破壊する母性
落合 聡子
pp.276-277
発行日 1991年4月25日
Published Date 1991/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903273
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空爆の恐怖が流早産を引き起こす
ついに,湾岸戦争が終わった。世界中の国々の見つめている中での戦争開始というのもめずらしい。為政者以外の一般の人々は「まさか世界注視の中で戦争は起こるまい,否,やはり,戦争となるかもしれない……」と複雑な思いでいたに違いない。
1月22日の毎日新聞「湾岸24時」では「イラクのミサイル攻撃の影響でテルアビブ市内では平常の2倍に当たる30人の新生児が早産で生まれた,と市内の病院が公表」。ひきつづき翌日(1/23)の新聞も「緊追テルアビブ,ガスマスクつけ出産,テルアビブ市では空襲警報が鳴り響く中,ガスマスクをつけたまま出産した女性がいた。母子とも元気。母親は出産直後,ガスマスクをはずし,赤ちゃんと対面することができたという」と,すさまじい光景をレポートしている。
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