特別寄稿
英国のマタニティ・ケアの“今”と緊急時の対応(前編)
横手 直美
1
1広島大学大学院医学系研究科
pp.1074-1081
発行日 2001年12月25日
Published Date 2001/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902782
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はじめに
私は助産婦として4年間の臨床を経て,現在大学院で緊急帝王切開を余儀なくされた母子のケアに関する研究に取り組んでいます。今年5月から2か月間,マタニティ・サービスの「先進国」とも言える英国でどのようなケアが行なわれているかを学ぶために,5か所のマタニティ・ケア施設で短期研修をさせていただきました。
英国で子どもを産む女性は様々な選択肢を持っています。NHS(National Health Service)による無料のマタニティ・サービスにおいても,ローリスクの場合には妊娠中のケアを誰から受けるか,どこで出産するかを女性が選ぶことができます。しかし,妊娠中はローリスクでも,分娩時に突如異常に移行する母子もいます。このような母子に対しては,どのようなケアが行なわれているのでしょうか。
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