連載 西村かおるの訪問看護留学記—英国編・23
英国のターミナルケア
pp.1134-1138
発行日 1988年11月1日
Published Date 1988/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922140
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選択肢が豊富な英国のホスピスケア
私が日本で訪問看護をしていた時,病院(東京衛生病院)がキリスト教という背景があったせいで,患者の半分以上は末期患者たちだった.学校出たてで何も知らなかった私は,新しい経験にぶつかるたびに必死で文献を漁ったり,先輩に助言を乞うたりして学んでいったのだけれども,その中で何といってもホスピスケアに関して,英国の名を聞くことが実に多く,私としては文献に出てくるような進んだ場所ではなくて,フツーの現場ではどのようにやっているのだろうか,と興味を持ったものだった.
こちらに来て地域の現場に出てみれば,特別にターミナルケアを見たいと希望しなくても,訪問看護婦の受け持ち患者の中に,必ず何人かは老衰などの末期患者が含まれていて,日本で疑問に思っていたフツーの看護婦さんたちのターミナルケアにも沢山接することができた.
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