特集 女性の産む力を引き出すケア
助産婦に何が求められているか—出産ケアに関する全国調査より
島田 三恵子
1
1浜松医科大学医学部看護学科
pp.850-855
発行日 2001年10月25日
Published Date 2001/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902737
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筆者らは,平成11年度厚生科学研究(子ども家庭総合研究事業)「利用者から見て望ましい出産のあり方に関する研究」1)で,妊娠・分娩・産褥・育児期のケアに関する疫学的な全国調査を行なった。この研究にあたり,開業助産婦で日本助産婦会役員の神谷整子さん,臨床の助産婦から日赤医療センターの中根直子さん,バースエデュケーターの戸田律子さん,疫学者(EBM)から慈恵医大の縣俊彦先生,産科医から葛飾日赤産院の竹内正人先生に協力研究者として参加していただいて研究班を発足させた。研究の初段階の調査票作成,サンプリング,フィールド交渉,考察に至るまで,熱意に溢れた協力研究員の方々の多大な貢献なしに遂行できなかったことを思い,この誌面をお借りして謝意を表したい。
この厚生科学研究では,層化無作為抽出法により,全国47都道府県の大学病院16施設,一般病院65施設,診療所76施設,助産院75施設の合計232施設を選び,分娩後入院中または1か月の褥婦10,268名(有効回答8,224名)を対象として,日本における妊娠・分娩・産褥・育児各期のケアの現状,それら一連のケアに対するいわゆる「出産ケアに対する満足度」および保健医療サービスに対する利用者からの評価を行ない,女性たちのニーズを明らかにしようとした。
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