特集 女性の産む力を引き出すケア
産科医として関わる主体的なお産—「産みだす力」に圧倒される,幸せな日々
加藤 龍太
1
1新津産科婦人科クリニック
pp.856-861
発行日 2001年10月25日
Published Date 2001/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902738
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アクティブ妊産婦さんとの出会い〜96年秋
「あの,これ書いてみたのですが……」 外来でおずおずと手書きの紙を差出す,予定日を4週間後に控えた初産婦Mさん。B4の用紙には,分娩の進行期別に「陣痛を逃すときにはじっと寝ていずに動き回る」「自分の産みやすいスタイルを探していきたい」。生まれた赤ちゃんは自分から離さずに傍に」「臍帯結紮は血流が止まるまで待って」「夫とずっと一緒に」などとよく整理されてまとめてあり,「スイミングスクールの助産婦さんに相談にのってもらった」と話すMさんの表情は,間近に迫った初めての分娩への不安よりも,なんだか待ち切れない想いが勝っているのがこちらにも伝わって,きらきらと輝いて見えた。
ずっとこの日を待っていた。とうとう,「バースプラン」を持つ妊産婦さんが登場してくれたのだ!
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