特集 進化する助産診断
看護診断と助産診断の動向
青木 康子
1
1桐生短期大学,専攻科・看護学科
pp.475-480
発行日 2001年6月25日
Published Date 2001/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902661
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はじめに
診断はかつて医師だけが行なうものであった。今を去ること15年前のことであったが,看護制度検討会の席上,筆者が看護独自の働きとして「看護診断」について説明したとき,メンバーの医師の一人から「看護婦が診断!? とんでもない」と気色ばんで反応されたことがあった。長い間,診断と治療は医師以外は行なえないというのが社会通念であったし,看護者自身そう考えていたことを思えば,当然の反応であった。今でも,診断は医師だけが行なえると考えている人も多いであろう。
その折の検討会では委員長であった日野原重明氏が,一般の人でも行なっている血圧測定の例をあげて,「診断が必ずしも医師だけのものではない」との助言があり,また,メンバーの一人であった産婦人科医師からも,開業助産婦の例をあげて,「診断しているのは医師だけではない」という意見が出され,その場は納まった。
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