特別寄稿
日本における水中出産の歴史と現状
土谷 美恵
1
,
成田 伸
2
,
中野 美佳
3
,
喜多 淳子
3
,
山本 智子
4
1広島県立保健福祉大学看護学科
2広島大学医学部保健学科
3神戸大学医学部保健学科
4山口県立看護大学看護学部
pp.615-620
発行日 2000年7月25日
Published Date 2000/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902448
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はじめに
日本で水中出産が知られるようになったきっかけは,1983年にコリーヌ・プレの『水中出産』1)が出版されたことによる。同じ頃,産ませてもらう出産ではなく,自分の力で主体的に産む出産であり,自由な分娩姿勢をとることを特徴とする『アクティブ・バース』2)が紹介されたことで,産む女性たちの出産に対する意識が変化し始めた。そうした中,日本の最初の水中出産が1984年になされた。その後は単発的に水中出産を耳にすることがあったが,80年代ではまだ特殊なものと考えられ,分娩方法の選択肢の一つにはなりえなかった。
90年代に入って,1993年に『助産婦雑誌』が「水中出産」を特集し,母親の満ち足りた経験や水中出産の利点だけでなく,問題点にもふれた。
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