特集 周産期医療事故—母と子を守る助産婦になる
周産期医療事故総論—助産ケアの視点から
石井 トク
1
1岩手県立大学看護学部
pp.187-192
発行日 2000年3月25日
Published Date 2000/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902359
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はじめに
医療事故は被害者および加害者双方にとって不幸なできごとである。特に周産期事故における被害者は母と子の2人の生命に侵襲を与えるという「結果」の重大性と,疾病の入院ではなく,児の誕生を喜ばしく迎えるという人生上の「状況」の特殊性を十分に認識する必要がある。
女性にとって妊娠・分娩は,人生の危機状況にあるとする一方,生理的現象を過度に強調するという誤った認識によって医療従事者が軽んじているのが実態である。この認識の誤りは是正されることなく,むしろ増長している感を拭いさることができない。
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