特集 産科医療事故を防ぐために
産科医療事故と助産婦
石井 トク
1
1広島大学医学部保健学科・母性看護学
pp.870-875
発行日 1994年11月25日
Published Date 1994/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901132
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はじめに
医療は医師と多くのコメディカルとのチームワークによって成り立っているが,なかでも産科医療は産科医と助産婦の協同を基盤とした医療活動である。このことは医療事故における責任のありようをみても明らかである。
看護婦の責任は医師の医療活動の中で論じられることが多いが,助産婦は助産婦自身の助産行為が追及されている。これは助産婦の業務に対して,その責任が明確であることを意味している。しかし,このように社会から容認されている助産婦の業務を,どれだけの助産婦が認識し,かつ,実践してきただろうか。1960年を境に分娩場所は加速度的に施設へと移行し,それに伴って助産婦も施設勤務へと働く場所が変わってきた。
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