特集 褥瘡裁判が看護に問いかけたもの
看護婦と医療事故
石井 トク
1
1千葉大学看護学部
pp.867-876
発行日 1986年8月1日
Published Date 1986/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661923075
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はじめに
看護の質を問われた褥瘡裁判は,看護界に大きな波紋を投げかけている.褥瘡ができたら訴えられると恐怖の念を抱いている人も多いと言う.一方,裁判の結果に憤慨し証人の某氏を非難する人もいる.
このような中で‘褥瘡裁判で看護が問われたもの’について考えることは裁判を前向きに受け止め,看護を改めて見直そうという思いからである.日頃から,患者の安全性の立場から医療事故の分析を提言している者として,褥瘡裁判の分析を試み,この判例がもたらした意義を述べたい.
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