特別記事
東ドイツ最新周産期医療事情
石井 トク
1
1千葉大学看護学部
pp.938-943
発行日 1990年11月25日
Published Date 1990/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900205
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はじめに
1989年11月ドイツを分断していたベルリンの壁が崩壊した。40年間,同一民族を隔てていた壁がくずれ,交流が可能となり,別離を余儀なくされていた肉親・家族も再会できるようになった。しかし,40年の年月は長く,すでに死亡したもの,あるいは逃亡で銃殺された犠牲者がいることを,私たちは忘れてはならない。さらに,1990年7月1日には通貨の統合が行なわれ,社会主義から資本主義へと体制も変化し,今,東ドイツは激動の時期を迎えている。
筆者は,大きな変化を遂げつつある東ドイツの周産期医療の最新事情を知るため,7月19日成田を発った。幸い,東ドイツ・チューリンゲン州・エルフルトに滞在することができ,エルフルト大学の産婦人科病院と母子センター見学の機会を得ることができた。そこで,今まで,詳細には知ることができなかった東ドイツの近況と,産科医療について,私の見解を加え,その一端を報告したい。
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