特別寄稿
オーストラリアでの周産期医療・看護改革—地域助産婦の役割
菅野 美香
1,2
1ウーロンゴン大学
2現・山梨医科大学看護学科
pp.995-999
発行日 1999年11月25日
Published Date 1999/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902291
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はじめに
私は助産婦として臨床で7年間勤務後,オーストラリアのウーロンゴン大学ヘルスアンドサイエンス学部看護学科編入コースに入りました。そして看護学科卒業後,同大学大学院修士課程助産学科専攻に入学しました。
私の留学先のウーロンゴン大学のあるオーストラリア・ニューサウスウェールズ州では,1989年に発表された「シャーマンの報告書(周産期における医療・看護サービスに対する利用者の要望をまとめた報告書)」によって,“すべての妊産婦とその家族は高品質・同品質のサービスを受ける権利がある1)”をスローガンに,サービスの内容が1996年に大きく改革されました。それらの中身は,ほとんどすべてにおいて利用者(妊産婦およびその家族)の要望が細部に至るまで反映されています。具体的には,地域助産婦の設置,医師・助産婦による共働ケア,助産婦クリニックの設置などです。それらの改革の中で,地域助産婦の働きについて見学することができたので,本稿にて紹介したいと思います。
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