特集 ピル解禁.避妊法のエキスパートになろう
ピルがもたらすQOLの向上と新しい女性の健康
対馬 ルリ子
1
1都立墨東病院周産期センター産婦人科
pp.936-941
発行日 1999年11月25日
Published Date 1999/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902281
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はじめにピル開発の歴史と背景から
ピルは,「女性が自分で簡単に使える安全な避妊法」を投獄されながらも生涯追い続けたマーガレット・サンガーの情熱と,みずからもMIT(マサチューセッツ工科大学)を卒業した科学者であり,ピル開発の援助をした富豪キャサリン・マコーミックの資金と,研究者たち,そして臨床試験に協力した大勢の女性たちの力によって,1960年に誕生した。
以来,毎日1錠内服するだけでほぼ完壁な避妊ができ,服用を中止すればすぐに妊孕性が回復し,月経困難症の改善など多くのメリットを持つピルは,避妊法の第1選択肢としてつねに約1億人の世界の女性に飲まれ続けている。また,この40年間に医薬品史上類をみないほど膨大な研究が行なわれ,ホルモン用量の少ないより安全な製剤が開発されてきた。
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