今月の臨床 ピル─エビデンスに基づいて新ガイドラインを読み解く
ピルの副効用(利点)と新ガイドライン─エビデンスに基づく解説
1.現代女性のライフスタイルとピルの効用
対馬 ルリ子
1
1ウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック
pp.1467-1473
発行日 2006年12月10日
Published Date 2006/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101327
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はじめに
ピルは,「女性が自分で簡単に使える確実な避妊法」を求め続けたマーガレット・サンガーの情熱と,キャサリン・マコーミックの資金と,研究者と,臨床試験に協力した大勢の女性たちの共同作業によって1960年に誕生した,世界では,膨大な研究によって低用量化される一方,教育やカウンセリングによって,正しい情報に基づいて女性が自分で選択するための医療体制が整備されてきた.
わが国でも,1999年の認可・発売以降,これまで誤解や偏見が多かったピルについて,利点を積極的に情報提供し,より使用しやすい環境を提供しようとする努力が始まっている.その一端がガイドラインの改訂であろう.
20世紀最大の科学的発明とも,世界を変えたとすらいわれる経口避妊薬(ピル=OC)が,ようやくわが国の女性のQOL(生活の質)向上にも役立てられる時代がそこまできている.
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