連載 とらうべ
子どもの死因の第1位は不慮の事故
山中 龍宏
1
1緑園こどもクリニック
pp.635
発行日 1999年8月25日
Published Date 1999/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902216
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1960年以降,0歳を除いた小児の死因の第1位は不慮の事故となっている.先進国と比較すると,わが国の乳幼児の事故による死亡率は高く,改善の努力が必要である.事故は,子どもの最も重要な健康問題なのである.
事故につく形容詞として「運悪く」が頻用されている.事故と同じく健康に対する障害である病気にも「運悪く」という形容詞をつけて納得できるだろうか.医学が発達していない時代は,運悪く病気になり,お祈りをして邪気が払われた.現在,「運」で病気になるとは考えられていない.病因の究明が徹底して行なわれ,それに合った治療,予防手段が開発され,病気が克服されつつある.
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