今月の臨床 妊娠のリスク評価
妊娠経過の異常とリスク評価
6. 切迫早産,頸管無力症
杉村 基
1
1浜松医科大学周産母子センター
pp.994-997
発行日 2006年7月10日
Published Date 2006/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100752
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はじめに
早産は児の生命予後の不良化ならびに脳性麻痺などの神経学的後遺症を引き起こし,産科臨床においていまだ完全に防止することのできないきわめて重要な疾患である.切迫早産は子宮収縮に伴う子宮頸管の短縮開大ならびに頸管熟化現象を主体としており,一部は自然早産に至る.子宮頸管無力症は本来的には臨床的診断名で,破水,出血,感染を伴わず妊娠中期以降,無痛性に頸管が開大し流早産を繰り返すものである.
そうした点からも,早産防止のために産科的患者背景に基づいてリスク評価がなされてきたが,近年では発症機序といった基礎的検討に基づいた評価法が加味してなされるようになっている.
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