特集 出生前診断と助産婦
超音波断層法でわかること,そしてその提起する問題
佐藤 孝道
1
1虎の門病院産婦人科
pp.413-417
発行日 1999年5月25日
Published Date 1999/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902170
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問題点
超音波断層法検査は,産婦人科日常臨床の中に深く根を下ろすようになった。産婦人科に受診して内診されないことはあっても,超音波検査を受けないことはないと言っても過言ではない。善し悪しは別として,これが現実である。
しかし,①どのような場合(例えばハイリスク群を対象にするのか,あるいはすべての妊婦が対象になるのか)に,②何を目的として,③どのようなレベルの超音波検査を,④どの程度の頻度で(あるいはいつ)行なうか,また,⑤それに関するインフォームド・コンセント(以下IC)はいかにあるべきかについての論議は,ほとんど行なわれていないか,あるいはコンセンサスがない1)。いわば個々の医師が,よく言えばそれぞれの自主的判断で,悪く言えば最低限のガイドラインもないまま超音波検査を実施している。
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