Medical Scope
胎児の脳低体温療法
島田 信宏
1
1北里大学医学部産婦人科
pp.267
発行日 1999年3月25日
Published Date 1999/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902137
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交通事故などで頭部に外傷を受けたり,脳内の出血があったり,脳腫瘍のための手術といったときに,長時間にわたって開頭した手術が続けられることがあります。そんな場合に,脳神経外科や麻酔科のドクターは低体温療法といって,患者さんの体温をぐっと下げて手術を行なうことがあるのを,皆さんは何かで読んで知っていることでしょう。
この低体温療法は何も手術中だけに行なわれるのではなく,脳内の多くの病変の内科的な治療にも応用されています。これは脳をはじめ人体を低体温にすることにより代謝が抑制され,非常に少量のエネルギーで人体は生きられるので患者さんへの生理的負担を軽くする,という理論を実行したものです。
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