特集 もっとコミット.助産婦をめぐる法律と行政
高齢社会と21世紀の国民医療政策
高木 安雄
1
1仙台白百合女子大学人間学部
pp.21-25
発行日 1999年1月25日
Published Date 1999/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902088
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
「揺りかごから墓場まで」,健康で文化的な最低限度の生活をどう実現するか,福祉国家は今,大きく揺らいでいる。助産婦がかかわる人生最初の鐘である赤ちゃんの誕生は確かに素晴らしいものだが,二番目の鐘である結婚は晩婚化の下でなかなか聴こえず,結果的に最初の鐘も少なくなってしまった。高齢社会を迎えて鳴るのは三番目の鐘(死去)ばかりであり,少子高齢化時代の医療のあり方は変わらざるを得ない。
筆者は人間学部の生活福祉専攻の教員として,介護福祉士・社会福祉士の養成に携わっている。福祉を一部の限られた人のものから,一生を通じた生活の質の向上という観点から見直すべきこと,そして医療も患者のQOLの向上という観点から,その見直しが求められていることを軸に,今後の医療政策を展望する。
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.