特集 産痛の解明とケア
産痛の解明とケアの重要性
我部山 キヨ子
1
1京都大学医療技術短期大学部専攻科
pp.723-730
発行日 1997年9月25日
Published Date 1997/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901771
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
はじめに
初産・経産ともに,妊娠後期の不安内容として最も頻度の高いものに産痛がある1)。妊婦が出産準備クラスに参加する最大の理由も,産痛の防止または軽減にある2)。
痛みの科学的研究は今から約100年以上前に,Goldscheider(1884)が痛点を発見し,v. Frey(1895)が痛みの受容器を同定したときに始まる。その後,痛みの感覚の特殊性のために,多くの困難や制約があり,その解明は進まなかった。しかし,最近30年余りの間に発痛物質や内在性モルヒネ様物質(エンドルフィン,1976)の発見など飛躍的な発展を遂げ,それと共に産痛の研究も,近年世界中で行なわれている。
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.