特別寄稿
低用量ピルの基礎知識
武谷 雄二
1
1東京大学医学部産婦人科
pp.665-670
発行日 1993年8月25日
Published Date 1993/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900854
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はじめに
1960年に米国にて初めて経口避妊薬(oral cortraceptive,以下OC)が認可されて以来,今日に至るまで30年以上にわたりOCの剤型,投与形式,投与量などの改良が加えられてきた。特にOCは健康な女性が使用するだけに,副作用については最も問題とされてきた。
確かに初期のOCはホルモン含量が多く,肝障害,血栓塞栓症,高血圧などの副作用が指摘されていた。その後,OCの避妊効果を損わずに副作用を軽減するために,OCのホルモン含量を低用量化する努力が繰り返されてきた。その結果,従来のOCよりはるかに用量を減らし,しかも副作用の頻度や種類も著しく低減させた,いわゆる低用量ピルが開発され,現在世界的に広く使用され,その有効性と安全性がほぼ確立されつつある。
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