連載 OBSTETRIC NEWS
生存の限界 : How small is too small?
武久 徹
1
1武久産婦人科医院
pp.706-707
発行日 2004年5月10日
Published Date 2004/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100530
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超低体重児の出生直後の蘇生の問題は倫理的に難しい問題が含まれる.南カリフォルニア大学(USC)のSeriは,周産期医学コースで超低体重児の生存限界と新生児蘇生に関する講義を行った.定義は,低体重児1,500 g未満(≦妊娠30週),超低体重児1,000 g未満(<妊娠28週)とした.
1. カナダの研究(Alberta)
研究対象は500 g未満(1983~1994年)で出産した1,193例とした.その結果,死産811例(68%)で,残りの出生児382例中173例(45%)は分娩室で死亡した.96例はNICUでcomfort care,113例(29.6%)に完全な集中管理が行われた.その結果,死亡例は78%(第1日),90%(第3日以内)で,生存はわずか18例(17例SGA)であった.生存児18例中13例は3歳まで生存したが,9例は脳性麻痺で最終的には欠陥のない生存児は生児100例中1例,処置児100例中4例と報告されている(Pediatrics 101 : 438, 1998).
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