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超早産児(妊娠25週以下)や超低出生体重児(<1,000 g)の周産期管理をどのように行うかの指針が米国産婦人科学会(ACOG)から出版された.特に倫理的な問題がからむために難しい問題であるが,有用な指針と思われる.本稿では,そのなかから母親やその家族に対するカウンセリングに関する「臨床的考慮と推薦」の要約を紹介する.
1. 生存の可能性
NICHDは大規模前方視試験を出生時体重400 g~1,500 gの4,633名の新生児を対象として,1995~1996年に全米14か所の第三次医療センターで行った.生産児の全例が対象とされ,生存例は分娩後少なくとも120日まで生存した例,死亡例は退院時までに死亡した例とされた.したがって,分娩中の胎児死亡や分娩後120日以降の死亡は含まれない.この研究では,妊娠21週(生存率0%)から妊娠25週(生存率75%)までは妊娠の各週ごとに有意の生存率の増加がみられる.出生時体重による生存率をみると,400 gでは11%,500~601 gでは26%,701~800 gでは75%に達する.妊娠24週以前(すなわち23週と6日まで)に生まれた児にはまず生存の可能性は少なく,そのようにして生存した場合には神経学的に欠陥のない可能性は僅少である.女児よりも男児で死亡率が高い.例えば,妊娠期間が24週で出生時体重が700 gの場合,男児の予想死亡率は51%であるが,女児の場合には35%である(Pediatrics 107 : E1, 2001).体重500 gの児のほんの一部が分娩室での蘇生術により生存するが,通常それらは女児で,妊娠期間に対して小さいsmall―for―gestational ageの新生児である(Early Hum Dev 53 : 193, 1999).
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