研究・調査・報告
幼児を持つ親の性教育に対する意識と実態
井土 視砂子
1
,
近藤 真希子
1
,
下野 由枝
1
,
杉本 潤子
1
,
団塚 恵子
1
,
丸山 知子
1
1札幌医科大学衛生短期大学部看護学科
pp.693-698
発行日 1994年8月25日
Published Date 1994/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901086
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はじめに
私たちは,看護学生として最後の3年次に関心のあるテーマに取り組む機会を与えられた。私たちは日頃から,看護の対象である“人間”にとって“性”は本質的なものであるにもかかわらず,それに対する取り組みは不十分であると考えていた。そこで,今後,性や性教育をどのように考えていくべきかを検討することにした。
荒堀は,人間の性には,生殖性,快楽性,精神性(連帯性)の3つの側面があり,生殖性や快楽性は本能的動物的な性,精神性(連帯性)は人間だけの特徴であると考えており1),松本は,その連帯性とは,人間関係における心理的,社会的側面を含めて,人間の行動だけでなく,存在のあり方も含むと述べている2)。また,黒川3)や藤本4)は,性教育は家族を通じてその生活習慣のなかで,人間にふさわしい性意識と性行動を身につけた個人的,社会的人格をめざす教育であると述べている。性教育の時期は,朝山5)によると,子供の人格形成に大きな影響を与える重要な幼児期であるとされている。
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