ちょっとサイエンス
有性生殖の摂理
牧 智子
pp.699
発行日 1994年8月25日
Published Date 1994/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901087
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有性生殖の子は「天上天下唯我独尊」
前回,チョウチンアンコウのメスはオスの精巣を手に入れて,孤独に海の底に生きると書きました。パートナーに巡り会うチャンスの少ないチョウチンアンコウにとって,それが有利な生き方なのだろうとも書きました。
しかし,考えてみれば,どうしてメスが子を産むのにオスが不可欠なのでしょう。どうしてゾウリムシみたいに無性生殖をしないのでしょう。それは,有性生殖をすることが,なぜ生物にとって有利なのかという疑問でもあります。この疑問に答えるのは案外難しいものです。
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