特集 体外受精
[座談会]助産婦からみた体外受精
福井 トシ子
1
,
押川 なおみ
2
,
小渕 俊子
3
1杏林大学医学部附属病院産婦人科病棟
2富山県立中央病院産婦人科病棟
3群馬大学医学部附属病院
pp.195-201
発行日 1994年3月25日
Published Date 1994/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900978
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
不妊患者と話す機会が少ない
福井 最近では体外受精も不妊治療としてかなり定着してきました。しかし,助産婦にとっても,体外受精を受ける女性たちとの関わりのなかでさまざまな葛藤や悩みがあります。まず,それぞれの現場の体外受精の現状からお話しいただければと思います。
押川 富山県立中央病院の産科病棟は,周産期センターも併設しておりまして,全部で42床ありますが,定数は8床が婦人科で34床が産科ということになっています。他に婦人科病棟に約30床ありますが,常に満床で,毎日「ベッドがない,ベッドがない」と大騒ぎしているような状況で,体外受精を受ける人たちのための特別な配慮は,恥ずかしい話ですがまったくありません。しきりに精神的なケアが叫ばれているのに,外来も毎日ごった返しているし,話をすることもできないというのが悩みの種です。
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.