特集 妊娠糖尿病妊産婦のケア
妊娠糖尿病の最近の知見
濱田 悌二
1
1久留米大学医学部産婦人科
pp.97-104
発行日 1994年2月25日
Published Date 1994/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900959
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はじめに
わが国におけるここ半世紀の社会環境の変化は,生体にとってもかなり強烈な衝撃であるようである。
歴史的にみて必ずしも食糧事情の豊かでなかった日本人は過食負荷に対する耐性は決して高くない。現在の摂取状況の変化は適正を越えて明らかに過負荷の状態を生みだした気配があることから,糖質代謝の異常,とくに非インスリン依存型糖尿病(non-insulin dependent diabetes mellitus,NIDDM)をもつ妊婦の増加は,ここ数年,その発見率の向上のためだけでなく明らかであり,さらに妊娠糖尿病(gestational diabetes mellitus,GDM)と呼称される妊娠に特有の糖代謝異常群の存在もこれを上回って経験される。
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