ちょっとサイエンス
痛みを測定する実験
牧 智子
pp.842
発行日 1993年10月25日
Published Date 1993/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900899
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動物実験による痛みの研究
イヌをつねって「キャン」と鳴かせ,その鳴き方で痛みはかるという実験があるそうです。しかし,これではあまりに主観的だということで,痛み刺激を加えたときのイヌの脳波,脳の活動電位や誘発電位,筋電図,自律神経反応などの電気生理学的手法によって痛みを客観化する試みも行なわれているということです。
また,ネズミによる痛みの実験では,尾逃避反応テストというものがあります。これは,ネズミの尾にお湯や輻射熱を当てるとネズミが熱がって尾っぽを振るため,このような動作をしたらネズミが痛みを感じたものとみなすという方法です。これとは別に,熱い板の上にネズミを置いて,手足をなめたり飛び上がったりする動作を見て痛みをはかる方法もあるそうです。
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