今月の主題 臨床医のための免疫学
免疫と臨床
甲状腺疾患と免疫
網野 信行
1
1大阪大学医学部・臨床検査診断学
pp.476-479
発行日 1990年3月10日
Published Date 1990/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900122
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
甲状腺における自己免疫疾患には,臓器特異性自己免疫疾患の代表的存在とも言える橋本病がある.自己免疫性甲状腺疾患には以下のような大きな特徴がある.すなわち,①甲状腺は前頸部に位置し少しでも腫張すると異常が発見されやすい.②自己免疫による組織反応を甲状腺ホルモンの変動という指標で異常を容易に把握しやすい.③自己免疫反応により機能低下がみられる一方で機能亢進もみられる.④疾病の出現頻度がきわめて高いなどである.以下臨床成績を中心にこれら疾患の病態を免疫学的に解説する.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.