今月の主題 レディースクリニック
妊娠中にみられる問題
妊娠と自己免疫性甲状腺疾患
百渓 尚子
1
1伊藤病院内科
pp.1664-1666
発行日 1996年9月10日
Published Date 1996/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905258
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ポイント
●児に生じる異常で唯一明らかなものは,母体由来のTSH(thyroid stimulating hor-mone)受容体抗体による甲状腺機能異常である.
●バセドウ病患者の胎児の甲状腺機能亢進症は,例外的な場合を除けば,母親と同時に治療できる.
●特発性粘液水腫患者の児に生じる甲状腺機能低下症は予測が可能であり,妊婦の管理と生後の適切な治療により,知能障害を回避できる.
●母体の疾患や治療が,奇形発生に直接関与するとは考えにくい.
●妊娠出産による自己免疫性甲状腺疾患の病態の変化は一時的で,長期予後が変わる可能性は低い.
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