今月の臨床 難治性合併症を診る—婦人科
月経異常と難治性合併症
3.ITP
増田 道彦
1
,
溝口 秀昭
1
1東京女子医科大学血液内科
pp.1200-1202
発行日 1994年10月10日
Published Date 1994/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901904
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特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は,血小板膜糖蛋白に対する抗血小板自己抗体の産生による自己免疫疾患と考えられているが,その病態について現在も十分解明されているとはいえない.ITPは難病に指定されており,厚生省特定疾患特発性造血障害調査研究班により,その病因,病態,治療法について研究が行われている.ITPは,急性型と慢性型に分けられる.急性型は小児に好発し,ウイルス感染後に発症して多くは6か月以内に治癒し,慢性型は20〜40歳台の成人,とくに女性に好発し,6か月以上持続する.また慢性型の約30%は,通常の治療に反応しがたい難治例である.
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