特集 思春期相談
産婦人科思春期クリニックの現況
伊野田 法子
1
1自治医科大学附属病院産婦人科(思春期外来)
pp.908-911
発行日 1992年11月25日
Published Date 1992/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900682
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思春期外来が婦人科にとってなぜ心要か?
思春期とはWHO(1974)の定義によると,①第二次性徴の出現から性成熟までの段階,②子供から成人に向かって発達する心理的なプロセスならびに自己認識パターンの確立(アイデンティティの確立),③社会経済上の相対的な依存状態から完全に自立するまでの過渡期,であり,年齢は日本産科婦人科学会の定義によると,8〜9歳頃から17〜18歳頃にあたる。
このように思春期には,身体的にも精神的にも急激な発達があり,精神的には激動期にあたり,また身体的には性成熟の過程において未成熟であるがゆえのいろいろな婦人科的症状もみられる。その症状によっては治療が必要になってくる。しかし,成人と同様に扱い,同じ方法によって診察をすると,少女たちは激しい羞恥心のため,二度と婦人科を受診しなくなるかもしれないし,また将来の性生活において禍根を残すことにもなる。そのため,一般の婦人科外来とは別に,思春期について熟知した小児婦人科医による診療が必要となってくる。
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