特集 産科におけるアメニティ
分娩室のアメニティ
尾上 敏一
1
1北九州市立医療センター・産婦人科
pp.640-644
発行日 1992年8月25日
Published Date 1992/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900626
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はじめに
分娩室におけるアメニティとは,医療の本質に付加価値として加えられたものと考えられる。分娩室において産婦が快適さを感じる要素にはさまざまなものが考えられるが,ひとつには,広い空間や,清潔さあるいは豪華さを感じさせる設備など,ハード面から考えられる要素であり,これに対するものとして,医療の本質と深いかかわりのある,ケアのあり方に関するソフト面の要素がある。これは分娩というもののとらえ方と深い関連がある。
いずれにしろこれらの各種の要素がすべて理想的に満たされるのが望ましいのであるが,現実のさまざまな制約から,何に主体を置くか選択することが必要になる。公的病院の場合は予算その他の制約も多く,限られた予算では建物や設備,インテリアといった面に資金を投入し,広さ,豪華さでアメニティの向上をはかるのは非常に困難である。
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