特集 アメニティ・保健・福祉
家族とアメニティ
望月 嵩
1
Takashi MOCHIZUKI
1
1大正大学文学部
pp.477-482
発行日 1984年7月15日
Published Date 1984/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206887
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■家族機能とアメニティ
人間は,家族のなかに生まれ,家族のなかで育てられ,家族のなかで死んでいく.家族は,人間がその一生を通じてかかわりをもつ唯一の集団である.そこでは,人間が生きていくために必要な基礎的欲求のほとんどが充足される.すなわち,家族は多面的包括的な機能をもった集団である.
家族が果す機能は,性,生殖,保護,教育,経済,保健,愛情などさまざまなものを列挙することができる.しかし,家族機能の特色は,このような個別機能を数えあげることによって示されるのではない.それは,これら個別機能が,家族成員のよりよい生活の実現に向けて収斂しているところにある.すなわち,家族成員の福祉追求こそが家族の機能であるということができる.
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