連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第202回
職員の労働環境とアメニティ
小菅 瑠香
1
1国立保健医療科学院 生活環境研究部 建築・施設管理研究分野
pp.890-894
発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102143
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連なる山々を一望できるレストラン,コーヒーの香りの立ちこめる喫茶,読書に没頭できる静かな図書室,品揃えの豊かな売店,銀行,郵便局,理髪店,託児所…….
数十年前まで病院とは無縁と思われていたこうしたアメニティの数々は,大規模病院の複合施設化が進むにつれて,患者獲得競争には必要不可欠なものとなっている.アメニティを巡る動向は充実性にとどまらない.従来アメニティの対象として真っ先に思い浮かべるのは患者やその家族であったが,近年ではそれと同じくらいに職員のアメニティの重要性が着目されるようになった.1つには職員のストレスを取り除いて仕事の質を高めるため,もう1つには医療現場の職員不足が深刻化している現状において,魅力的な職場をアピールすることによって人材を確保する目的もあるだろう.
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