研究・調査・報告
半座位分娩の母体に及ぼす影響
錦織 浩子
1
,
宮野 千代子
1
,
竹下 順子
1
,
長瀬 久美子
1
,
横山 奈央子
1
,
岡原 常美
1
,
北林 久美代
1
,
和田 美恵子
1
,
後田 美和
1
,
渡辺 美智子
1
,
永田 美和子
1
,
松本 祐子
1
,
藤村 晨子
1
,
金子 正枝
1
,
早瀬 文子
1
1国立下関病院産婦人科
pp.1018-1022
発行日 1991年11月25日
Published Date 1991/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900455
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はじめに
座位分娩は,重力や人間の分娩生理に適った合理的な分娩体位として,高く評価されている。1979年,FIGO東京大会におけるCaldeyro-Barcia博士の報告により,座位分娩の利点が注目されて以来,日本でも座位分娩の人気は上昇し岡山大,日大,永井病院その他の施設で研究が試みられ,成果をあげている。すなわち,分娩所要時間が短縮されるため母児にストレスがかからない,産婦の視野が広くなりコミュニケーションが取りやすいなどがあげられる。しかし,分娩時出血量が多い,会陰裂傷が多い,介助が難しく不測の事態への対応がすみやかにできにくいなどの短所も見逃せず,この逆はそのまま仰臥位分娩の長所でもある。
筆者らは,実際に半座位分娩を試み,現在までに報告されている座位分娩の特徴を分娩介助に生かしたいと考えた。そしてその結果を踏まえ,よりよい分娩の条件を提供するには,どの様にすればよいか考え直してみたいと思い,この研究に取り組んだ。
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