薬の臨床
Valpinの分娩経過に及ぼす影響について
寿田 鳳輔
1
,
新井 和夫
1
,
斎藤 仁隆
1
Hosuke Suda
1
1東京医科歯科大学医学部産科婦人科学教室
pp.893-897
発行日 1968年10月10日
Published Date 1968/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203948
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I.まえがき
Valpinは,WeinerおよびGordonによつて合成されたtropine構造をもつた鎮痙剤spasmolyticaで,一般名を,Anisotropine methylbromide,化学名を2-Propyl pentanoyl tropinium methylbromideと称し,次のような化学構造をもつている。
本剤の薬理作用はアトロピンに類似した効果をもつた鎮痙剤であつて,その効果は臓器に対して顕著であり,瞳孔や唾液分泌などに対する影響は極めて少ないので,臓器に対する鎮痙効果を期待するときには有効であると考えられる。ここでは,Valpinの分娩経過に及ぼす影響について検討したので,臨床成績とともに報告する。
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