病院職員のための医学知識
分娩法の変化—座位分娩
武田 佳彦
1
1高知医科大学産科婦人科学
pp.614-615
発行日 1982年7月1日
Published Date 1982/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207787
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座位分娩とはどのような分娩法ですか
従来,分娩の管理に当たって,産婦の体位は介助方法や胎児監視などの点から仰臥位が取られてきました.ところが古くは人種を問わず立位分娩が行われてきたことは産科学の教科書にも記載されているとおりです.つまり立位や座位はもっとも自然な分娩法と考えられるということです.
最近医療のなかでの人間性の尊重が強調されていますが,そのような傾向に伴って,分娩に対する家族のかかわりなどとともに人間本来の分娩法として座位分娩が改めて見直されてきています.特に1979年第9回世界産婦人科学会で当時の会長であったバルシア教授が座位分娩の特徴を生理学的に検討し,その有用性を科学的に証明して以来,我が国でも多くの施設で座位分娩の臨床成績が報告されてきています.
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