薬の臨床
Butropium Bromideの分娩経過に及ぼす影響について
清水 潤司
1
,
岡田 悦子
1
,
石井 良夫
1
Junshi Simizu
1
1国立福山病院産婦人科
pp.161-164
発行日 1975年2月10日
Published Date 1975/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205144
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計画分娩などの試みが盛んに行われるようになつた現在,分娩を希望する時刻に終了し,また分娩時間を短縮させ,産婦の苦痛を和らげようとする努力は数多く行われている。分娩開始より児娩出までの分娩時間を左右する要素として陣痛,産道,胎児があるが,胎児および骨産道に異常がなく規則正しい陣痛があるにもかかわらず分娩が遅延するような場合,子宮頸管の緊張をとつて子宮口開大促進をはかろうとするために副交感神経抑制剤を使用することもある。
従来,子宮体部と頸部とでは神経支配に差異があるといわれ,頸部および下部の痙攣を取るにはアトロピン,モルフィンなどが用いられたこともあるが,副作用などの点で問題がある。現在,臨床的にはエストリオール製剤,鎮痙剤などが分娩中に応用され,効果を認めている。
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