クローズ・アップ
クルド難民の救援活動に参加した助産婦 四野見みゆきさん
八木 保
,
本誌
pp.949
発行日 1991年11月25日
Published Date 1991/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900441
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この4月,日本赤十字社はクルド難民救援のために,4名の医療班をイランに派遣した.助産婦の四野見みゆきさんもその一人.1,000余張のテントが並ぶ難民キャンプで,分娩介助や妊婦健診はもちろんのこと,備品の調達からスタッフの采配に至るさまざまな活動に忙殺された2か月半であった.
クルド人女性にとって妊娠・出産はごくあたりまえのできごと.日常生活の一部としておおげさには構えないので,分娩はスムーズに進行し,トラブルは少ないという.その一方,カレンダーの感覚に乏しく,自分の歳も子どもをいつ産んだのかにも正確に答えられない母親が多かったり,イスラム教の戒律のもとに,夫ですら妻のいる分娩用テントに入れないきまりなど,日本とはおもむきの異なる社会の一端を垣間見た.
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