連載 新生児学基礎講座[臨床編]・18
新生児における水・電解質管理の実際
仁志田 博司
1
1東京女子医科大学・母子総合医療センター新生児部門
pp.877-882
発行日 1990年10月25日
Published Date 1990/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900190
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はじめに
新生児・未熟児医療の歴史の中で,輸液はその生存率向上に大きな貢献をしている。Cornblathらは1,500g未満の児に輸液を行なうことによって,低血糖および高ビリルビン血症の頻度を低下させ,さらにその生存率が向上したことを報告している1)。Usherらは,RDS(呼吸窮迫症候群)の症例にグルコース輸液を行なうことによって死亡率が大幅に減少したことを報告し,さらにUsherのフォーミュラと称される重曹の輸液によってRDSの症例の生存率を改善せしめている2)。
現在,NICUに入院して点滴を受けない児は殆どないと言って過言ではない。その理由は,抗生物質投与や輸液の目的として用いられる場合も少なくないが,多くの場合は水・電解質バランスを保つ目的でなされる。本稿では,その背景としての基本的な知識を解説すると共に,その実際への応用について述べる。
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