特別寄稿
産褥婦と看護者とのかかわり—事例からみた母性の発達変容過程
細井 啓子
1
1桐蔭学園横浜大学臨床心理学
pp.141-147
発行日 1990年2月25日
Published Date 1990/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900031
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はじめに
産科病棟にいると「お世話になりました」と新しい命をしっかり抱いた母親の元気な声を耳にする。無事に生まれてよかったという安堵感がこちらにも伝わってくる。この姿はなにものにもかえがたい。そういう光景を目の当りにするようになって3年近くになる。この間,褥婦の相談を受けてきたのだが,病院に出入りするようになってからは,看護婦の存在・仕事がとても身近に感じられるようになってきた。最近では,看護婦(者)から悩みを打ち明けられるということも多い。また,通りいっぺんの知識ではなく,もう少し心理学の勉強をして,患者に接したいという相談を受けることもある。そこで,今回,母親や看護者の相談を通して浮かびあがってきた,求められる看護者の姿を考えていきたいと思う。
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